オーガニックワイン研究室
まだフランス語が読めない(鋭意勉強中)ので、きちんとしたことはいえませんが、 要はフランスのオーガニックワインガイド本といったものです。
どんなことが分かるのかといったことを、ちょっと書いてみます。
まず「Loire」のところにこんな記述があります。
Nous remontons la Loire depuis le Muscadet et le Gros-Plant jusqu'aux Coteaux giennois, l'est et l'Auvergne et la C te roannaise au sud. Mais, avant la Loire, nous proposons un premier arr t en Vend鳬e.
と、ここまで書いてきて分かったことは、フランス語がきちんと表示されていないということです。 この問題は、HTMLクライアントソフトの問題なので、ちょっと時間がかかるかとも思います。 私は[stylenote」というソフトを使用しているのですが、とりあえず、ここの質問掲示板に
「何か選択肢は無いのですか?」という内容の投稿をしておきました。
私が設置している「フランス語掲示板」は、フリーソフトで、プログラムのコードが公開されていまして、変更してもいいことになっていますので、 ブラウザーが正しくフランス語を表示できるように少しプログラムをいじりました。 ですが、stylenoteは、コードの公開はしていないようです。
どうしたものか?
他のソフトを使用しようか悩んでいます。
4月26日
大意というか、分かるところだけ翻訳すると
「この章では、ロアール川の河口のムスカデやグロプランから遡ってコトー・ジェノーまで、南方面は オーベルヌ、ロネーまでの記述になります。
しかしながら、ロアール川ということ以前に、フランス県ということを意図しています。」 といったとこでしょうか?
それから、以下構成を記します。
とりあえず、ロアールの一番最初のドメーヌ・サンニコラ(当店で扱いがあります)を例に取ります。
Thierry Michon まず代表者の名前。
11 ryu des Vallees(谷通り11でしょうか?)ここから住所
85470 Brem sur mer(sur merは海を臨んだ)
tel:02-51-33-13-04
fax:02-51-33-18-42
mail: contacbr/>web:www.domaine-saint-nicolas.com
VDQS Fiefs vendeens blanc,rose,rouge.(VDQSは上質指定ワインAOCとヴァンドペイの中間)
フィエフ・ヴァンディアンの白とロゼと赤を生産しています。 この下に、
commersialisation(コマーシアルザシオン)というのでしょうか、企業形態の記述があります。
a la propriete,en magasins et coops, par correspondance.協同組合のようなものらしいです。
METHODEというのがあって
biologie(sertification Ecosert) et biodynamie(Demeter) depuis 1995.
これは、エコセール認証の有機農法を行なっており、同時にシュタイナー農法(認証期間デメテル)にも1995年以来認証されている。
次は、当店にあります商品フェイフ・ヴァンディアン2002レ・フレの解説
(8.50ユーロ)価格
SO2 libre 15, totale 20mg/l.遊離亜硫酸15mg/l、トータルで20mg/l含有
それからワインの説明が続きます。 これについては、フランス語の掲示板を見てください。( 記事番号no.44)
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5月2日(月曜)午前中雨、曇り、午後晴れ
1つ解ったこと。要は実体文字参照コードや数値文字参照コードを使用すればよいらしい。
早速やってみよう。
Nous remontons la Loire depuis le Muscadet et le Gros-Plant jusqu'aux Coteaux giennois, à l'est et &à l'Auvergne et la Côte roannaise au sud. Mais, avant la Loire, nous proposons un premier arrêt en Vendée.
ということなのだが、うまくいくだろうか?
早速アップしてみる。
Nous remontons la Loire depuis le Muscadet et le Gros-Plant jusqu'aux Coteaux giennois, à l'est et à l'Auvergne et la Côte roannaise au sud. Mais, avant la Loire, nous proposons un premier arrêt en Vendée.
どうやらうまくいった。
だが、2つゲット1つルーズといったところか。
一つ目のゲットは、とりあえず表示できたこと。
ルーズは、表示はできるが文章を打つのがとってもカッタルイということ。
もし長文だったら、生産性がとても低いことになるだろう。
もう1つのゲットは、どなたか親切な方が変換必要な文字を打つと文字コードを作成してくれるjavascriptを書いてくれていたことだ。
ソースの表示で見られるのだから、公開しているのだろう。
以下コードをコピーしてみよう。
これをフランス語用に改造すれば、かなり使えるツールになる。
使い方は、長文でもこの変換する前の文字列を入力フォームに入れてしまい。
フランス語のアクサン記号などだけを変換し、それ以外はそのまま表示するだけにすればいい。
フランス語に現れる特殊文字はいくらもない。以下ぐらいだろう。
çàâîû êôèéÇ ÀÉÈÂÎ ÛÊÔ
forループで、これらがきたときだけ変換し、それ以外はそのまま素通しさせればいいのだ。
けちなことを言わず、ISO-8859-1 ラテン数値参照コード「&#プラス160」から「&#プラス255」までを生かすことにする。
さて、コードを以下のように修正してみよう。
おそらくこれで上手くいくと思う。
オーガニックワイン研究室なのに、javascript実験室のようになってスミマセン。
実際にはかなり難航したが、何とかできるようになったので、皆様も使ってください。 ここをクリック
Ça va?は、元気ですか?という意味です。(実験結果)
オリジナルのコード | 改造しようと考え付いたアイデア | 改造後のコード |
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| | |
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5月16日(月曜)晴れ
避けて通れない酸化防止剤SO2の話その1。
酸化防止剤に対してとても敏感で、添加されていることを言い当ててしまう方がいるようです。
こうした方々が、いち早く凡人では分からない事々を鋭い感覚を持って感受し、その危険性などをあまねく 世界にしらしめ、警鐘を鳴らしてくれるのでしょう。尊敬いたします。
それにひきかえ私などの場合は、オーガニックワインとそうでないワインの違いすら明確には分からず。 ただいっぱい飲んだ後次の日体調が崩れないような気がするくらいの感覚しか持ち合わせていませんので、 酸化防止剤の添加を鋭く見抜くなどというのは・・・という情けない有様です。
さて、酸化防止剤の国によっての許容量は、
EU基準では、
一般的なワインは250mg/l,甘口ワインは400mg/lです。
日本では、
350mg/lです。
南アフリカでは、
150mg/lになっております。
これに対してEUのオーガニック基準の場合
赤ワイン=160mg/l
白ワイン=210mg/l
ロゼワイン=210mg/l
スパークリング=210mg/l
中甘口ワイン=260mg/l
甘口ワイン=300mg/l
とされています。
ですが、実際にはオーガニックをやっている農家はこの基準の半分以下の添加 しかしていないところがおおいようです。
酸化防止剤を使用する局面は概ね2つあります。 一つは、瓶詰めの際に酸化を防ぐ目的で(酸素とすぐに結びつく不安定な分子 である亜硫酸塩)使われる。 もう一つは、醸造の過程で、酵母や乳酸菌以外の悪玉の細菌を滅菌するために 使われるのです。
滅菌効果についてオーガニックの生産者の採る方法は、機械的にある一定量の酸 化防止剤を決まったタイミングで添加するのではなく、悪い菌の発生を確認した ときにのみ、必要な量を注入しています。
ワインが酸化のリスクを負う局面は二つあり、一つはモロミの初期の段階(中 期後期には、酵母が葡萄果汁中の糖分をアルコールと炭酸ガスに分解するので、 自然に発生します。) そして、もう一つはビンに詰めてからです。 このうち、一番目のリスクを回避するために、オーガニックワインの生産者た ちは、モロミの初期段階でタンクの上層に炭酸ガスを注入するのです。 こうしておくと、炭酸ガスは空気より重いのでモロミの表面を覆い、空気に触 れません。
オーガニック生産者たちが大切にしていることは、酸化防止剤を添加しないこ とではなく、その年その年で、毎年変わる自然環境の中で、昆虫が触手を動かし て周りの情報を得るように、目で見て、肌で感じ、目を閉じ耳を澄まして、自然 の諸相を感受し、いかに身体に安全なワインを作るということだと思います。 例えば、フランスにおけるビオデナミ(biodynamic)の先駆者であるニコラ・ ジョリ氏の場合、葡萄を圧搾するとき、熟成中、瓶詰めの際にそれぞれ15mm を必要と認めたときに、添加するようです。
最後に、完全に酸化防止剤無添加でワインを作っても、ワイン酵母は自然発生 的に亜硫酸塩を30mg/l程度生成します。 ですので完全にサルファーフリーのワインというのは、原理的に無いわけです。
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5月18日(水曜)晴れー夕方雨ー夜くもり
避けて通れない酸化防止剤SO2の話その2(そもそもSO2とは何ぞや?)
「二酸化硫黄(SO2)」(別名「亜硫酸ガス」)とは、「硫黄酸化物(SOx)の一種で、一個の硫黄原子(S)と二個の酸素原子(O)が結合して生成されます。
その性質は、空気より重い無色の気体で、腐敗した卵に似た刺激臭(硫黄泉の温泉地で匂うあの匂い)があります。
目や皮膚や粘膜を刺激し、人体には有害です。人が二酸化硫黄の臭いを感じる濃度の下限値は0.5〜1.5ppm(注)です。
二酸化硫黄濃度 | 人体に及ぼす影響 |
---|---|
0.5〜1ppm | 臭気を感じる |
2〜3ppm | 刺激臭となり不快感を増大する |
5ppm | 気道抵抗が増す |
10ppm | 鼻やのどに刺激があり咳が起こる |
20ppm | 眼に刺激を感じ咳がひどくなる |
30〜40ppm | 呼吸が困難になる |
50〜100ppm | 短時間(30分〜1時間)耐え得る限度 |
400〜500ppm | 短時間で生命危険 |
これに対してSO2のワインにおける含有値のわが国の基準はMAX350mg/lつまり350ppmということになります。これだけ見ると食品にそんなに入れて大丈夫でしょうか?という疑問がわきますが、上の上限値はあくまでも空気中の濃度のことなので、問題設定がぜんぜん違うのです。 つまり、空気中に存在するということは、人間は呼吸しなければ死んでしまいますので、のべつまく無しに亜硫酸塩を取り込むことになりますので、かなり厳しいのです。
ワインに含まれるSO2については次回説明いたします。今回はここまで。
注:ppmとは、parts per million(パーツパーミリオン=百万の一部)のことです。 ワインの中にどの位のSO2が含まれるかという時の何々mg/lという表記と同じです。 例えばSO2が、5mg/lという場合、ミリグラムは一グラムの千分の一、リットルは一グラムの千倍ですから、 (5×0.001グラム)のSO2が、(1グラム×1000)のワインの中にあるということでうす。 これを押しなべて言うと、1000×1000=1000000(ミリオン)分の5含まれる(つまり5ppm)ということになります。
5月20日晴れ
二酸化硫黄の発生源について
自然発生源(硫化水素H2Sも含まれる)
火山や温泉地帯のいわゆる地獄で、地下のマグマに溶け込んでいるものが分離して、噴気孔から大気中に放出される。
三宅島の復興が遅れているのは、このガスの濃度がなかなか下がらないからです。
人工発生源
工場、船舶などのボイラやエンジンなどで使用される硫黄(S)を含む燃料(重油、軽油、石炭)が燃焼するとき、酸素と結合して生成される。(S+O2=SO2)
大気汚染がすごかった昭和40年代に比べて、現在では100分の一ぐらいのレベルで推移しています。年平均で0.010ppm。一時間値で0.02ppm。
これは、硫黄分の多い石炭や重油から少ない低硫黄重油(LSA)へ、硫黄を含まない液化天然ガスなどへの燃料転換がうまくいったからです。
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5月30日(月曜)雨 避けて通れない酸化防止剤SO2の話その3
いよいよ本題、ワインに添加されるSO2
ワインの生産者は、一体どのようにしてワインにSO2を入れるのでしょうか?
@亜硫酸ガスの圧縮ボンベを利用する方法
瓶詰めの際のガス注入に使用。
A亜硫酸水を利用する(水に溶かしてあるので液体状)
醗酵タンクに入れる、瓶詰めのときに入れる、
(特に日本向けに輸出される折、注射器でコルクを通して注入することもある)
Bカリウムと結合したメタ重亜硫酸カリ(顆粒)
醗酵タンクに入れる
C小さな樽の中で小さなリング状のディスクを燻す
これは主に樽を滅菌するときに使う。
A、Bについては開放槽で行う。
@、Cは密閉した環境。
これらを使用し結果的にEC基準やオーガニックの基準に合わせて添加するわけです。
| EUのオーガニック基準の場合
|
1つは結合亜硫酸塩
そしてもう1つは遊離亜硫酸塩
「vin-bio2004-2005」に
SO2 libre 35, totale 50mg/lのような表現があります。
これは、それぞれ遊離亜硫酸35mg/l、トータルで50mg/l含有の意味です。
to be continued.....
6月2日晴れ曇り、夕方から雨
この二つの亜硫酸塩のうち本来期待される機能を持っているのが遊離亜硫酸塩です。
では一体この差は何なのでしょうか?
この例の場合、(総亜硫酸塩50mg/l)−(遊離亜硫酸塩35mg/l)=(?15mg/l)
このはてなマークのところに入るのは結合亜硫酸塩です。 当初は全量遊離亜硫酸塩としてあったわけです。それがワインの中のさまざまな 物質(特に酸素)と結合してその役割を終えた物質なのです。
ところが、おもしろいことに醸造過程や破砕時,瓶詰めの時に添加された亜硫酸塩 をすべて足した量と総亜硫酸塩はイコールではないのです。
総亜硫酸塩のほうが、これらを足したものよりも、いつも30mgほど多いのです。
総亜硫酸塩=(人工的に添加した亜硫酸塩)+(?大体30mg/l)
なぜでしょうか?
実はそれは酵母の働きによるものなのです。酵母はぶどうジュースの中の糖分を アルコールと炭酸ガスに分解するのですが、その過程で1リットル当たり30mgほど 亜硫酸塩を副産物として生成するのです。そしてこの生成された亜硫酸塩は酸素と 結合した結合亜硫酸塩・まだ未結合の遊離亜硫酸塩としてワインの中に存在するのです。
総亜硫酸塩=(人工的に添加した亜硫酸塩)+(酵母生成による亜硫酸塩大体30mg/l)
ですのでもし人工的に酸化防止剤を添加しなくても、30mg/lほどの亜硫酸塩が検出されるのです。
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6月13日(月曜)曇り、晴れ
避けて通れない酸化防止剤SO2の話その4
亜硫酸塩が有害である状態とは?
亜硫酸塩のことが書いてあるとあるHPを読んでいて疑問がわきました。
そのページには「開栓後に30分ほどコルクを外した状態でワインを空気に触れさせると、亜硫酸塩が酸化して悪酔いしない」という記述がありました。
このこと自体はとても解りやすいのです。前回お話しました、遊離亜硫酸塩が結合亜硫酸塩になるということなのですから。
しかし、この文脈で言うと「遊離亜硫酸塩(つまりイオンの状態)」が身体に悪いのであって「結合亜硫酸塩」は身体に害がないということになります。
そうでしょうか?私はこのことを以前から疑問に思っていました。そうであってくれれば良いのですが・・・
遊離亜硫酸塩が酸素その他の物質(主に酸素)と結びついて結合亜硫酸になるわけですが、結合したこの物質は気化するわけではなくワインの中に融溶した状態や澱となった状態で存在し続けるわけです。 すべてが澱となってくれるのであれば、澱をグラスに入れないように気をつければ、これはほとんど除去できるということになりますが、溶け込んでいる分はどうしても摂取せざるを得ません。
最初の疑問に戻るのです。
亜硫酸塩が有害である状態とは?
ですので今回の記事は
「どなたかこの辺のことに詳しい方がいらっしたら教えていただきたい」という皆さんに対する質問なのです。
私なりに調べてみました、厚生労働省のホームページの一番上にある「検索窓」に「亜硫酸塩 ワイン」−→
すると以下のような審議会の議事録がいっぱい出てきます。
例えば
「編集」の中の「このページを検索」のところの検索窓にまた、「亜硫酸塩」といれると亜硫酸塩に関する議論のところが出てきます。
『「安全性に関する知見」のところで、喘息患者、特にステロイド依存症の方だと思う のですが、患者さんについて知見が出されていて、それは広く受けとめられているとい うことはわかるのですが、特にアメリカなどでもかなりそのことについては注意が必要 ですよという論調は依然として強いというふうに伺っていますし、スペインなどでも同 様のことが言われている』
といったことの記述があります。
また、 ここにはかなり核心に迫ることが書かれています。
長尾部会長という人が
『それで、私からの質問は亜硫酸塩なのですが、これは分解しましていろいろなものに なって、そこに次亜硫酸とか二酸化硫黄とかいろいろになりますね。それのトータルが 測られているのですか。それで、試料調整時に減少するという、この減少はそれ以外の ものになるということなのですか。ちょっとわかりにくいのですが。』
『それで、参考のテーブルの下の*2でいろいろ亜硫酸が分解していますよね。測定す るときは亜硫酸として測定しているのですか。』
などと質問をしています。 それに対して答える人が、『配布資料のどこそこに記載されております・・・」というようなことを言って説明するのですが、 この配布資料が閲覧できませんので、よくわかりません。
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8月15日(月曜)晴れ
結論 ビオデナミ(バイオダイナミック)といえるための3要素
結論です、ビオデナミ(フランス語)バイオダイナミック(英語)シュタイナー農法(これはほとんど同義だと考えます) に最低限必要な3つの要素。これをクリアーしていれば、認証はともかくシュタイナー農法なのだと思います。
その一、種まきカレンダーを使用していること。
その二、調合剤を使用していること。
その三、小宇宙(農園)は全体(宇宙)の中にあり相互に影響し合い。ここに含まれるもの、つまりすべてのものは必要があって存在していることを認めている。
7月4日(月曜)雨、曇り
ビオデナミ(バイオダイナミック)と普通のオーガニックワインの違い
以下はとある化粧品会社に寄せられたFAQの受け答えです。
Q:オーガニックとバイオダイナミックはどう違うのですか?
A:バイオダイナミック農法は普通のオーガニックによる農業より、包括的で全体性を持ったものです。
バイオダイナミック農法は20世紀初頭より連作障害を避けるための作物のローテーション、コンポスティング、 土壌・作物・病害虫の統合化された管理、家禽の飼育などを科学的手法として開発してきました。オーガニックに関心が集まるようになって、これらの方法が一般的になってきました。 オーガニックであること、バイオダイナミックであることは共に環境に優しく、地球や植物や私たち人間の健康を根っこのところで支えるものです。
バイオダイナミック農法は
@エコシステムの健全さを考慮するだけでなく、宇宙のリズムをも取り入れる有機的で持続可能な方法を採用します。
Aとてもユニークな調合剤というものを使用します。土壌やコンポストや植物を調和させ活性化させるものです。
B様々な問題に関してその現象よりもその原因となる問題に取り組む。
例えば、作物に害虫が発生した場合、オーガニック農法の人々は害虫を殺したり、勢いをそぐために自然の農薬(化学合成されたものでない) を使用するでしょう。これに対してバイオダイナミック農法の従事者は害虫が異常発生した原因を作った不均衡を見つけ出し改善するためにエコシステムをまず観察します。
7月4日(月曜)雨、曇り
そもそも何ゆえにシュタイナー農法が良いのか? DEMETER
この下で二回にわたってシュタイナー農法について記事を書きましたが、その前に語っておくべきことがありました。
それはタイトルにあるとおり「何ゆえにシュタイナー農法なのか?」というものです。
ちょうどニコラ・ジョリのワインの紹介を本日アップしましたので、この質問に対する答えをニコラ・ジョリに答えてもらいましょう。
ニコラ・ジョリの本を読んだり、彼のHPの文章を読んでいてすぐにわかることは「とにかくACをきちんと守ろう、ACを本来あるべき姿に戻そう」 ということです。
ACはappellation contrôléeの略でAOCという風にも書きます。この場合のOにはorigineが入ります。 訳せば「原産地呼称制」です。
INAO「フランス原産地名称協会」が認定したワインということで、その内容は
AOCの名前
対象エリア
対象ワイン
主要品種
補助品種
収量
最低天然アルコール度
その他の条件
といった要件を満たしたワインです。
ちょっと解りにくいので、具体的につい最近(2005年6月8日、9日)AOCに認定された地域が二つありますので併記してみましょう。
項目 | 地域1 | 地域2 |
---|---|---|
AOCの名称 | AOCコート・ド・ヴニーズ | AOVDQSサン・サルド |
対象エリア | ヴォークルーズ県ボーム・ド・ヴニーズ他、計4コミューン | タルン県とガロンヌ県の20コミューンとオート・ガロンヌ県の3コミューン |
対象ワイン | 赤 | 赤・ロゼ |
主要品種 | グルナッシュ50%以上とシラー25%以上を必ず使用 | シラー40%、タナ20%と補助品種から最低三種類 |
補助品種 | AOCコート・ド・ローヌと同じ | 自由 |
収穫量 | 38hl/ha | 60hl/ha |
最低天然アルコール度 | 12.5% | 記述無し |
その他 | 手で収穫、選果をしなければならない | 記述無し |
ですが、ニコラ・ジョリはこの現状に満足していません。というかむしろ批判的です。
何故でしょう?
ニコラ・ジョリの話を聞いてみましょう。
To understand this is to rediscover What "appellation contrôlée" truly means. In other words, "appellation contrôlée" applies not just to a plot of land, but to an entire system that comprises temperature variations, prevailing winds, slope of the land, length of seasons, surrounding vegetation, and the kinds of organisms living in the soil itself.
このことを理解するためには、「アペラシオン・コントロール」ということの真の意味をもう一度 探って見なければなりません。
『アペラシオン・コントロール』とはただ単に一定の畑の区画といったものではなく、温度変化の多様性、その土地に吹く風、 土地の傾斜、四季それぞれの長さ、周囲の植生、そして土壌それ自体に住み着く生き物たちをすべて含んだシステムとしての畑というものに適応されるのです。
When we realise that the roots of a vine cannot be linked to the soil except through microorganisms, we understand how AOC functions .
葡萄の木は土壌の中に含まれる微生物を通してしか大地とつながることが出来ないということを知れば、 AOCがどのように機能すれば良いのかは自ずと理解できます。
Our so-called progressive agriculture has destroyed organisms in the soil through the use of chemical herbicides, so that the soil is almost incapable of supporting plant growth. Thus it must be treated with chemical fertilisers that the vine must absorb as it takes in nourishment. But this source of growth is totally foreign to the concept of AOC, whether we are referring to France or any other wine-producing country in the world. In the past, we nourished the soil. Today, we nourish the vine !
私たちのいわゆる進歩的農業は科学的に合成された除草剤を使用することで土壌中に息づいている微生物界を破壊してしまいます。 そのため土壌は作物を育てる力をほとんどなくしています。土壌から切り離されてしまった葡萄の木は化学肥料に頼らざるを得なくなりました。
しかしこうしたことは本来AOCという考えからすれば、まったく外れたものです。これはフランス国内とか海外とかの区別なく言えることです。
昔私たちは土壌に肥料を与えていました。現在では、葡萄の木に直接肥料を与えているのです!
This explains why wines available to the public today are beginning to taste more and more alike. The grape harvest, marked more by grape variety than by soil and microclimate, has to be "personalised" in the cellar. This practice - involving increasing use of technology and artificial yeasts with dominant flavours - is destroying everything that the AOC system was designed to protect.
このことは今日ワインの味が何処のものであっても似通った味になってきていることを説明するものです。 葡萄の収穫は土壌やミクロクライメットをあらわすというより、より品種というものに重きを置くものに変わってしまいました。 そしてこれらのこと−−テクノロジーに頼り、人工的作られ培養された(香りの強い出すといわれている)酵母の使用など は、もともとAOC(原産地呼称制)が守ろうとしてきたシステムのすべてを破壊してしまうものです。
ニコラ・ジョリの問題関心はシュタイナー農法から敷衍したものなのでAOCに関する説明としては ちょっと解りにくいですですね。
ちょっとずれるかもしれませんが、身近なことで言えば以下のようなことと似ているのではないでしょうか?
日本酒の原料米の中でも、山田錦は華やかでとてもパワーのある酒米です。そしてこの酒造好適米とほとんど対のように使用される酵母が9号酵母(熊本) です。山田錦の中でも評判なのは兵庫県産の物です。 日本中の酒蔵さんが、兵庫県産の山田錦と9号酵母を使用してお酒を作ります。こんなことをしていたら、本来その土地その土地で当然異なるべきお酒の味がみな同じになってしまいます。 実際そのような現象が数多く見られるのです。
to be continued.....
7月6日曇り
この日本酒の例はレベルが低すぎますが、構図としてはこんなことだと思います。
言い換えてみるならば、世界にあまたある葡萄農園はそれぞれ違った土地にあるわけで、
日照時間も違えばその角度も違うし、そこに吹く風も違えば、地学的な性質も違います。 気温・湿度そして、その変化の度合いも同一ではありません。
またそこに生えている草花、樹木も異なるし、そこに住まう生き物(昆虫、鳥獣)も違います。
その畑に栽培するにふさわしい葡萄品種があり、その他の作物もあるはずです。
要するにすべてが違うのです。ところが、
このすべての面で「違う」という状態が壊れて「同じ」という性質に替わってきてしまうのです。
何故か?
1つには除草剤と化学肥料の問題。 除草剤を使っていると土壌の生命が死んでしまい。作物がそこから充分な栄養を得られなくなります。 そこで科学的に合成された肥料に頼ることになります。
もう1つは純粋培養された人工酵母の使用。
内部のものと外部のものという分け方をすれば、除草剤も化学肥料も純粋培養された人工酵母も明らかに外部から投入されたものです。
そして外部から投入されるものは画一的なのです。
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6月13日(月曜)曇り、晴れ
オーガニック認証機関その1 DEMETER
この上のURLはデメテルの国際機関デメテルインターナショナルのHPのものです。 ここの記事を読んでいただければすべては掌を指すようにお分かりになるはずです。 ですが、ちょっとだけ解説します。
Holistic Thinking, Consistently Transformed on the Farm
Rudolf Steiner Motivated by Rudolf Steiner¥'s Spiritual Foundations for the Renewal of Agriculture and Goethe¥'s Conception of Nature, Biodynamic farmers view their farms as individually unique living organisms. Not only do they consider their farm¥'s physical substances and the forces of nature, they also have an awareness of the formative forces streaming in from the cosmos. Their training in sensitive observation of natural phenonama influences their daily work. In their striving for holistic concepts and spiritual understanding Biodynamic farmers also develop individual strategies to husband resources, and so it is not a surprise to find among them many pioneers in the fields of alternative energy and renewable raw materials. Responsibility for the health of mankind and the earth requires more than the avoidance of chemicals, compost management and green manuring - it requires active support in shaping and strengthening the formative life processes.
今から10年ほど前ルドルフ・シュタイナーのことを調べるために世田谷区の図書館に「農業講義」があるかどうか問い合わせました。
そして世田谷区の図書館に2部だけ蔵書していることを発見し、早速借りてみました。あの時はとても翻訳の硬い本だなという印象が強くて、あまり良く憶えていませんが雰囲気は以下のようなことだったように思います。。
例えば1つの農場をどのような視点で見るか?というようなことが書いてあったような気がします。
農園には様々な植物、昆虫、動物そして人がいます。土の中には目には見えない多様で豊かな微生物の世界があります。 さらに、農園はひとつの地方の一部としてあり、その地方は国の一部であり、ある地理学的な特徴を持った一帯に含まれていもいるでしょうし、また地球の一部であり、太陽系の一部です。
これらの複雑で重層的な構造を持つ宇宙の中にある農園はそれ自体1つの宇宙と考えられます。そこの成員には不必要なものも過剰なものも基本的には(10年100年ぐらいのオーダーのスコープにおいては)ない。
例えばいわゆる害虫とか害獣といわれるものも存在するわけですが、実はこれらもある一定数必要な要素として存在している。
これは病気についても言えることで、ある一定の病気や菌糸類なども必要なのだ。 なぜなら、病害虫のない環境で育つ作物は脆弱で競争力のない品種になってしまうから。
ただ、すべてはバランスにあり、これが著しく損なわれるとき、農園にとっては甚大な被害となる。
といったことだったように思います。
to be continued..... このページのトップへ
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オーガニック認証機関その1 DEMETERその2 バイオダイナミックで最も重要な役割を担っている調合剤について・・・・
6月20日晴れ
Biodynamic preparations are uniquely fermented natural and organic substances that are used to steer humus forming processes in the soil, vitalise plant growth and harmonise life on the holding with that of its immediate and more distant surroundings.
調合剤は独特の方法で無機物(一種類)有機物(7種類)を醗酵させたもので、土の中で腐植土が形成されるのを促進たり、 植物の成長を活性化させたり、その農場の生命関係 ひいてはより広い範囲の生命関係を調和させために使用される。
The Compost Preparations are made from six well known medicinal plants - yarrow, chamomile, stinging nettle, oak, dandelion and valerian.
コンポストに使用される調合剤は、6種類の良く知られた薬草から作られる。 ノコギリソウ、カモミール(カミツレ)、イラクサ、西洋みず楢の樹皮、タンポポ、カノコソウ(おみなえしの多年草)。
Their specific properties are enhanced and made effective for soil life during the course of a unique fermentation process in the soil.
これらの調合剤は土の中で醗酵させることでその土壌に対する効能が強化されより効果的になる。
To make them effective some of the herbs require a sheath made of certain animal organ materials.
いくつかの調合剤に使用される植物はその効用をより効果的にするために動物の臓器に入れる必要がある。
These serve as catalysts for bringing about the required process.
これらの調合剤は必要とされるプロセスの触媒として働く。
When ready these humus-like substances are added to the composting material in minute amounts where they radiate their effects throughout the heap.
コンポストに入れられる物質に調合剤を極少量加えると堆肥に影響力を与える。
These preparations help to guide and regulate the decomposing and humus forming processes in the soil and make plant nutrient substances (sulphur, potash, nitrogen, calcium, silica, phosphorous) available in precisely the form needed for healthy plant growth.
これらの調合剤はコンポストに入れられる物質の分解するのを促し調整し、土の中で腐植土が形成されるのを助ける。 そして対象植物にとって栄養となる硫黄・カリ・窒素・カルシウム・ケイ土・リンなどを対象植物の健康な成長に必要とされる有効な形態に変化させる。
The Spray Preparations or field sprays are made from cow manure and quartz meal and are known respectively as 'Horn Manure' and 'Horn Silica'.
畑に噴霧するタイプの調合剤はそれぞれ「角(雌牛)熟成の肥料」「角(雌牛)熟成の石英粉」として知られ、牛糞・石英粉から作られる。
Before being applied very small amounts of these prepared substances are dissolved in water and stirred rigorously for one whole hour.
この二つの物質を実際に使用するには、極微量を水に溶かし、正味一時間丹念に攪拌しなければならない。
This is done by stirring (preferably by hand) in one direction in such a way that a deep crater is formed in the stirring vessel (bucket, barrel). Then the direction is changed, the water seethes and slowly a new crater is formed. Each time a well-formed crater is achieved the direction is changed until the full hour is completed.
バケツや桶の中に深い渦ができるまで一つの方向にかき回し(手で)、渦がはっきりできたらかき回す方向を替え、また逆の渦がはっきりできるまでかき回す。 これを正味一時間の間行なう。
In this way the dynamic effects concentrated in the prepared manure and quartz meal are released into the rhythmically moved water and become effective for soil and plant. It is then sprayed out immediately.
このよう方法(ある一定のリズムで動く水に入れられること)をとることで力動的な効果が二つの 調合剤に集積され、土壌や対象植物に有効に働きかけることができるようになる。 そして、このように作られた噴霧剤はできたらすぐに使用する。
Horn Manure is sprayed towards evening directly on the soil prior to sowing and planting.
It encourages healthy root growth, vitalises the soil and helps the plant find what it needs from the soil.
調剤番号500番「角(雌牛)熟成の肥料」は種まきや植え込みの行なわれる前の晩に直接土壌に噴霧する。 これには根の成長を健康にし、土壌を活性化させ、対象植物が土壌の中から必要な要素を見つけ出すのを助ける働きがある。
Horn Silica is sprayed as a fine mist directly on the growing plant early in the morning. It helps to stabilise plant metabolism and enhance the qualitative development of the crop.
調剤番号501番「角(雌牛)熟成の石英粉」は早朝にとても細かい霧状にして対象植物に直接噴霧する。 対象植物の代謝を安定させ作物の品質を向上させる働きがある。
preparation調合剤 | Material素材 | Animal Organ動物の部位 | Quantity/year一年に必要な量 |
---|---|---|---|
Field Sprays | 畑に噴霧するタイプ | ||
Horm manure | Cow manure | Cow horn | 1Horn/ha |
Horn silica | Quartz meal | Cow horn | 1Horn/25ha |
Compost Preperatinons | コンポストにして堆肥の一部にするタイプ | ||
Yarrowノコギリソウ | Flowers | Stag's bladder雄鹿の膀胱 | 1 bladder/250ha |
Camomileカモミール(カミツレ) | Flowers | Intestine腸 | 30cm/100ha |
Stinging nettleイラクサ | whole plant | none | |
Oak Bark樫の樹皮 | Bark | Skull 頭蓋骨 | 1skull/300ha |
Dandelionタンポポ | Flowers | Peritoneum腹膜 | 30*30cm/100ha |
Valerianカノコソウ(おみなえしの多年草) | Flower extract | none |
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9月26日 晴れ・曇り
『ton/ha(トン・パー・ヘクタール)とhl/ha(ヘクトリットル・パーヘクタール) 』
要はワインの単位面積あたりの収穫量のことなのです。
hl/ha(ヘクトリットル・パー・ヘクタール)は皆さん良く目にすると思います。
これは例えば、35hl/haという場合はワインにして1ヘクタール(一万平米)当たり35×100リットルを作るということです。
この場合は3500リットルのワインをフルボトルの本数で表せば(フルボトルは750mlなので)(3500×1000)÷750=4,666本のワインを生産するということになります。
ワインの単位収穫量を表す単位としてもうひとつありまして、それがton/ha(トン・パー・ヘクタール) なのです。
ただ単にリットルがトンになったのだから容積を重さであらわしただけじゃないか?とお思いでしょう。
ところが事はそんなに簡単ではないんです。収穫量を重さで表した場合は葡萄の茎や皮などの重さも勘定に入ってしまいます。 一方容積はまさにワインそのものの量ですからイコールではないんです。
このことは以前から分からないことの1つでありました。南アフリカとスペインの一部で単位収穫量ということでこのトン表示がなされます。 このときhl/haで表すと、一体どれくらいなのかというのが分からないのは、そのワインを仕入れるかどうするかというときとても困るのです。
というのは例えばフランスのボルドーやブルゴーニュのグランヴァンの場合は35hl/haぐらいだとか。ソーテルヌなどの貴腐ワインなんかになると19hl/haなんていうのはザラ。
こんなことが経験的に分かっているものですから、そのワインにどれだけリキが入っているか、大切に作られたものかということが分かるのです。
以前からずぅーと疑問に思っていたことに応えてくれたのは、南アのワインを専門に輸入している「マスダ」のM氏でした。
葡萄の茎と皮の重さは30%くらいだとのことでした。
だいたいトン表記の80%くらいだろうと想像していたのですが、それ以上に茎や皮が重いということでした。
ですので例えば、5ton/haという場合は、50×70%=35hl/haということになるのでした。
詳しく書けば、5×1000×1000g=5000000g=5000000ml
5000000ml×70%=3500000mlが、/hl=1ヘクタールから採れるということ。です。
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