ダイエット法を選ぶ時の注意点
正常なネズミと先天的な肥満のネズミの脳の重さの比較をすると、
正常なネズミは、体重23.3gに対し、脳の重さは0.377g、体重との比率は1.6%。
先天的肥満のネズミは、体重46.9g、脳の重さは0.320g、体重との比率は0.7%。
これは≪American Journal of Physiology≫で発表された記事で、ちょっと怖い内容のように思われるのですが、実験動物での話ですので、まだ、少し安心している人も多いかも知れませんので、少し脅迫じみた話をします。
実は以前にも≪病気を早く治すコツ≫というタイトルで、当院の会誌に書いたことがあるのですが、大量のデキシトロース(ブドウ糖)を犬の静脈に注射し続けると、1日〜7日で全て死んでしまい、脳下垂体と膵臓には激しい出血と障害があり、肝臓の腫れがはっきりと認められたそうで、さらに精製した砂糖と炭水化物を長期間与えた実験では、実験動物の脳の一部に障害が起きていることが確認されたと報告されているのです。
何故、そのようなことが起きるのかを考えてみますと、炭水化物の種類による「作用の違い」が、このような実験結果を支えていますので、炭水化物の種類と性質から調べてみることにします。
炭水化物は単糖と呼ばれる単位のものが一つのものを、一糖類とか単純炭水化物と言い、2〜20個集まったのを少糖類(二つのものは二糖類)と言い、数100〜数1000集まったものを多糖類とか複合炭水化物と呼んでいます。
単糖にはグルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトースというものがあり、少糖類には、サッカロース(砂糖)やラクトース(乳糖)と呼ばれるのがあり、多糖類にはグリコーゲンとかマンナンと呼ばれるものがあります。
その作用は、単糖類や少糖類では、「運動の際の早急なエネルギー補給や低血糖時などの脳への血糖補給になるのですが、・・・血糖値が急激に上昇するので過剰摂取は、多くが脂肪合成に使われてしまう」。
一方の複合炭水化物は、「肝臓や筋肉へのグリコーゲン貯蔵になり、良質なエネルギー源として使われ、体力とグリコーゲンの量は比例する」と言われています
さて、そこでの疑問は、「単糖類や少糖類を過剰に摂取したらどうなるか」ということで、上記の実験結果と糖質理論からしますと、「血糖値が急激に上昇して、脳に障害を与える可能性があり、余分な糖は脂肪合成に使われてしまう」と言えるわけです。
これを栄養学と生理学で説明しますと、砂糖が代謝される時のビタミンB群やミネラルの問題とか、砂糖によるホルモンシステムや神経システム、味覚システムの異常などの複雑な話になりますので、それらについては、何度か説明してきましたし、今回のテーマがダイエットですので、ここではとりあげません。
では、今回のタイトルであるダイエットについて説明したいのですが、再度注意を促しますと、上記で説明したように、砂糖によって起こる障害は大きいので、くれぐれもダイエットで「単糖類」や「少糖類」を使うような方法は選ばないようにすることです。
それをすると、早くボケるからです。
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