4.食事療法について
ダイエット法を選ぶ時の注意点
正常なネズミと先天的な肥満のネズミの脳の重さの比較をすると、
正常なネズミは、体重23.3gに対し、脳の重さは0.377g、体重との比率は1.6%。
先天的肥満のネズミは、体重46.9g、脳の重さは0.320g、体重との比率は0.7%。
これは≪American Journal of Physiology≫で発表された記事で、ちょっと怖い内容のように思われるのですが、実験動物での話ですので、まだ、少し安心している人も多いかも知れませんので、少し脅迫じみた話をします。
実は以前にも≪病気を早く治すコツ≫というタイトルで、当院の会誌に書いたことがあるのですが、大量のデキシトロース(ブドウ糖)を犬の静脈に注射し続けると、1日〜7日で全て死んでしまい、脳下垂体と膵臓には激しい出血と障害があり、肝臓の腫れがはっきりと認められたそうで、さらに精製した砂糖と炭水化物を長期間与えた実験では、実験動物の脳の一部に障害が起きていることが確認されたと報告されているのです。
何故、そのようなことが起きるのかを考えてみますと、炭水化物の種類による「作用の違い」が、このような実験結果を支えていますので、炭水化物の種類と性質から調べてみることにします。
炭水化物は単糖と呼ばれる単位のものが一つのものを、一糖類とか単純炭水化物と言い、2〜20個集まったのを少糖類(二つのものは二糖類)と言い、数100〜数1000集まったものを多糖類とか複合炭水化物と呼んでいます。
単糖にはグルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトースというものがあり、少糖類には、サッカロース(砂糖)やラクトース(乳糖)と呼ばれるのがあり、多糖類にはグリコーゲンとかマンナンと呼ばれるものがあります。
その作用は、単糖類や少糖類では、「運動の際の早急なエネルギー補給や低血糖時などの脳への血糖補給になるのですが、・・・血糖値が急激に上昇するので過剰摂取は、多くが脂肪合成に使われてしまう」。
一方の複合炭水化物は、「肝臓や筋肉へのグリコーゲン貯蔵になり、良質なエネルギー源として使われ、体力とグリコーゲンの量は比例する」と言われています
さて、そこでの疑問は、「単糖類や少糖類を過剰に摂取したらどうなるか」ということで、上記の実験結果と糖質理論からしますと、「血糖値が急激に上昇して、脳に障害を与える可能性があり、余分な糖は脂肪合成に使われてしまう」と言えるわけです。
これを栄養学と生理学で説明しますと、砂糖が代謝される時のビタミンB群やミネラルの問題とか、砂糖によるホルモンシステムや神経システム、味覚システムの異常などの複雑な話になりますので、それらについては、何度か説明してきましたし、今回のテーマがダイエットですので、ここではとりあげません。
では、今回のタイトルであるダイエットについて説明したいのですが、再度注意を促しますと、上記で説明したように、砂糖によって起こる障害は大きいので、くれぐれもダイエットで「単糖類」や「少糖類」を使うような方法は選ばないようにすることです。
それをすると、早くボケるからです。
緑のピーマンを食べた後の痛み
???・・・何故だ!?
自分が砂糖を摂り過ぎてきたかどうかは、虹彩分析をすればわかります。
人間の生命を支えているのに"酵素"というのがあり、その酵素の働きを抑えて治療に使う薬品もあります。それらの薬品は、正常な酵素の活動を阻害して症状を治めていくという方法ですが、《酵素栄養学》を勉強しながら「正常な酵素の活動を阻害する」という言葉で、薬品の作用が怖くなってきました。(もともと薬は怖いものかも知れませんが・・・)
その理由は、エドワード・ハウエル博士の【ENZYME NUTRITION】(酵素栄養学)によりますと、温度変化と酵素の働きの実験で、何匹かのミジンコをいくつかの温度の違った水槽に入れ、心臓の動きと寿命を調べるのですが、ミジンコは体が透明なために、心臓の動きや腸の動きを直接見ることが出来、温度による寿命の違いが分かるというのです。
その結果は、摂氏8度では108日生き、10度では87日、18度では40日、28度では25日しか生きず、8度の温度では1秒間に2回の心臓の拍動ですが、28度になりますと1秒間に心臓が7回も拍動するというのです。
すなわち、温度が高い時には代謝酵素が活発に働きますので、ミジンコは元気に泳ぎスピーディな活動をするのですが(時々、血圧の高い人にも同様の状態を観察することができます)、代謝酵素を25日で使いきってしまうために、早死にしてしまうのです。一方のミジンコは108日も生きるのに、元気のいいミジンコはたった25日しか生きられないのですから可哀想です。
☆☆☆砂糖で血糖値を急激に上げますと、脳に障害が起こる可能性があり、さらに余分な糖は脂肪合成に使われてしまいますので、生理的に(自然に)それを解消しようとして、子供では「活動亢進症」になる可能性があります。☆☆☆
このことから、ミジンコが活動するにも、我々人間が活動するにも酵素が必要で、酵素の消耗と寿命は関係が深く、早く酵素を使い果たしたほうが早く死ぬということなのです。ですから"消費する酵素を補わないと寿命が短い"ということなのです。それだけ大切な酵素ですので、薬などで酵素を阻害するのが好きになれないのです。
☆ ☆☆砂糖を摂り過ぎると、砂糖には酵素などありませんので、体内にある酵素を簡単に使い果たしてしまう。☆☆☆
それで、その≪酵素栄養学≫では、「ナマ物を食べることによって、消化酵素の無駄使いを防ぐことが出来るので、食物は出来るだけ"ナマ"で食べるほうが良く、果物、果物ジュース、サラダ等をできるだけ食べるようにしたほうが良い」と結論付けられています。
しかし、食品に含まれる酵素というのは、加熱による調理だけで失われるのではなく、化学肥料や農薬によっても失われるし、長期保存(時間の経過)によっても失われますから、もし、"ナマ"のものを食べようとするならば、無農薬の果物や野菜を求めなければなりません。
便秘に良い食品
当然輸入される果物も船で長期保存されるために酵素が失われていますので使うことは出来ませんので、我々はどのようにして毎日農薬のかかってない新鮮な食品を手に入れることができるのかを考えたら、現実的に不可能のように思われました。
☆☆☆こんな酵素のないモノを食べていては、太るのは当然です。☆☆☆
そのことを考えた時に、『日本、中国、韓国等のアジア諸国では、基本的に加熱された料理を中心に食べてきたのだから、何らかの方法で消化酵素を無駄使いせずに済ませていたはずだ』と考えるようになりました。
そして結論は、酵素の無駄使いをする「単糖類の摂取量が少なかった」ということになったのですが、すでに酵素不足を起していると思われる人には、酵素を補給できる食品を使ってもらうようにしています。
優秀な酵素食品とは、味噌、納豆、古漬け、とかの「臭い食品」で、砂糖を使って発酵させた「○○酵素」というようなものではありません。
また、「発酵食品」と言うと、すぐ「ヨーグルト」と言う人がいますが、ヨーグルトは動物性に入りますので、摂り続けると皮膚が荒くなります。それは、時々テレビに出る、外国の「ヨーグルトで100歳まで元気」という人たちの顔を見るとわかりますが、象みたいにシワクチャになっています。
☆☆☆食品には、もともと「食物酵素」というのがあり、大根は大根を溶かす酵素が、魚には魚を溶かす酵素があり、自然に溶けるようになっています。ですから、マグロなどのような動物食品は、少し時間をおいてから食べるのがおいしいのです。☆☆☆
肝硬変と栄養不足
赤血球の中心部が空洞化したように色が抜けている時があります。
これは、女性の生理出血による場合もありますが、大量のアルコールを飲んだ翌日に起こる人もいますし、無理なダイエットなどで、長期的に起っている場合もあります。
一過性の栄養不足に関しては、何の問題もありませんが、長期的な栄養不足は、臓器器官にいろんな障害を作り出してしまいますので、注意が必要です。
長期的な栄養不足の診断は、体幹と四肢のバランスで簡単に診る方法があり、体幹に対して四肢が痩せている場合は「栄養不足」と診て間違いありません。
虹彩分析での栄養不足の診断の一つに、「小虹彩輪の幅の狭さ」があるのですが、これは少食によるものか(無理なダイエットで起っている場合が多い)、摂取する栄養素よりも、過剰な労働や運動などの肉体作業などによって、消費する栄養素が多い場合にも起ります。
シュガーリングがくっきりと現れ、小虹彩輪が狭いことから、この方は砂糖によって栄養不足を起していると観ます。
元レスラーだった「ジャイアント馬場さん」が、体幹よりも四肢が痩せた体格をしていたのですが、長期的にアルコールを飲み続けている人にも、そのような体格になっている人を多く見かけます。
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それは、肝臓の働きの一部に、ビタミンを貯蔵したり、必要に合わせて作り変えたりしているのですが、アルコールを大量に飲んだり、肝臓疾患になったりすると、この働きが鈍りますので、健康な人の2〜3倍はビタミンを摂る必要があるとされているからです。
その時、肝臓が必要とするのは、特にビタミンB群ですが、文献によってはビタミンEも必要とされているのもあります。しかし、ビタミンEの摂取は、ある種の危険が待ち構えていることを承知した上で摂るべきです。
それは、毎日アルコールを飲む人や、糖分や脂肪分(ビタミンEを含む)など中性脂肪の原因になる食べ物を食べ過ぎる人への注意として受け止めてほしいのですが、中性脂肪は肝臓で合成され、合成された中性脂肪は肝臓から体の各部へ運ばれます。
そして、アルコールが肝臓で分解されて、肝臓から体の各部に運び去られるまでには、約24時間かかると言われ、毎日アルコールを飲んでいると、次々に新たな中性脂肪が合成されることになるわけで、肝臓の中性脂肪処理能力を超えてしまえば、脂肪肝になってしまうわけです。
そこで、「脂肪肝」について考えてみますと、アルコールが原因で起こる肝疾患には、脂肪肝やアルコール性肝繊維症、アルコール性肝炎、アルコール性肝硬変などがありますが、「脂肪肝」は肝臓に脂肪がたくさん溜まった状態をいうわけです。
アルコールの話をしていますと、「お酒の飲み過ぎだけが脂肪肝をつくるのか」と勘違いしてしまいそうになるのですが、お酒と同時に
高カロリーの食事や、糖分や脂肪分の多いもの(ビタミンEも含む)をたくさん食べても、脂肪肝になってしまうのです。
脂肪肝自体は、比較的良性の病気ですので、原因になるアルコールの摂取や、糖分や脂肪分の多いものを控えて、カロリーオーバーを抑え、運動をすれば肝臓に溜った脂肪を減らすことはできるのですが、脂肪肝が起こるような体の状態では、心臓や血管系の病気、すなわち心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、静脈瘤などを引き起こす原因になるから注意が必要なのです。
(石原裕次郎さんが発症した動脈瘤と言えばわかると思いますが、私たちの周囲にも、膝裏の静脈が浮き出た人はたくさんいますし、中には鼻先の静脈まで浮いている人もいます)では、栄養不足を起さないようにするにはどうするかと言いますと、私がビタミン剤を販売していたら、「畑の土の栄養素がなくなり、野菜のビタミンが不足してきているので、ビタミ ン剤を飲みなさい」と言うと、大量に販売できますので、かなりの利益を得る自信はあるのですが、私は商売が下手なもので、それができません。
そこで、栄養学で答えを出しますと、完全精製されてない穀物(胚芽米、玄米、小麦、そば)などを中心に、野菜や海藻類、そして少々の魚介類を食べていれば、栄養学での摂取量を満たすことができますので、それを勧めるようにしていますし、ビタミン剤やサプリを使って失敗すると、治療がさらに困難になってくるので使いたくないのです。
そして、それは伝統的な食生活であるマクロビィオティックとも一致してきます。
時々、「マクロビィオティックの考え方は古い」と非難を浴びせて、ビタミン剤やサプリメントを販売している業者がいますが、そういう人は、栄養学をもっと深く勉強し、栄養学での臨床を積む必要があります。
※必要に応じてビタミン剤を使う時はありますが、あくまで「治療目的」ですので、期間も短いですし、「商売」と思われたくないので、ビタミン剤やサプリメントの販売もしておりません。
コレステロールとレシチン
レシチンとは何かと言いますと、レシチンは大豆や納豆、卵黄、ピーナッツ等に多く含まれ、体内では細胞膜や脳、神経組織や筋肉の回りを覆う物質を形成している成分で、細胞を包む細胞膜にレシチンが存在しています。
そして、レシチンが不足すると、 肝臓に脂肪が溜まりやがて脂肪肝になる恐れもあると言われております。
レシチンの働きは以下のようなものです。
@ コレステロールが血管壁に付着するのを防いで動脈硬化や高血圧の予防になる。
A ダイエット効果がある。
B 神経伝達物質の生成にも働くので、記憶力減退に役立つ。
このような事からしますと、お酒を飲む人や砂糖を摂り過ぎる人には、お勧めの成分となるので、大豆製品が人気を呼ぶようになってきたのですが、昔の人はよく考えたもので、「酒の肴に湯豆腐」とか、中国料理の「ピータン豆腐」とか「マーボ豆腐」なんてのは、食事療法で一番大切な「中和」ということが、よく考えられています。
ここで一つ注意しておきたいのは、「大量のアルコールや大量の砂糖を食べても、健康食品で売られている"レシチン"を摂れば大丈夫」という考え方で、「毒と薬」の違いは、薬は効かないこともありますが、毒は確実に効くので、毒(大量のアルコールや大量の砂糖)と、薬(ここではレシチン)を同時に飲むと、毒の作用のほうが強いということです。
健康食品は、法的規制が緩和された、「サプリメント」という言葉が流行ると同時に、一気に大流行したのですが、そういう落とし穴があることも忘れてはいけません。
そして、虹彩分析で紹介する「脳酸欠」や「コレステロール」と、レシチンの関係を考えると理解できると思いますが、「脳酸欠」や「コレステロール」は、・・・肝臓だけ・・・の問題ではないのですが、肝臓を強くすることは考える必要があります。
肝臓を強くするには、粗食がいいので、お勧めはマクロビィオティックですが、このHPに書いたマクロビィオティックは、「病気治し」を目的に書いてありますので、少々厳しい感じがするかも知れませんので、「一つの目安」として考えて頂ければいいと思います。
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